こんにちは。あさぎです。
今回は2021年本屋大賞第2位だった「お探し物は図書室まで」を読みました。
2021年、2022年と本屋大賞2年連続2位を取っている作者の本を一度読んでみたいと思いこちらを手に取りました。読んでとても良かった!ページが進むにつれて続きが気になり引き込まれ、気が付いたら一気読みでした。
本から読み取る「気付き」。そしてちょっと人生を迷っている人の背中をそっと押すように、差し出される本たち。この作品を読んでいるうちにわたしも小町さんにレファレンスしてもらいたい!ときっと思うようになります。
出会えてよかった初めて読む作家さんです。新しい出会いに感謝を。
こんな方におすすめ。
- 人生や仕事にもやもやを抱えている
- 本が好き
- 何かしらの気付きを得たい
作品概要
あらすじ
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。
狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。
話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集……。
そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」と――。
自分が本当に「探している物」に気がつき、
明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
ポプラ社HPより引用
感想
読み終わった後の読後感がとても心地よい。心が温かくなる。そんな小説でした。
登場するそれぞれ境遇の違う5人がひょんなきっかけで図書室へ行くことで始まる物語。それぞれが仕事だったり、人生だったりに抱えているもやもやしたものが本を読むことで気づきを得て晴れていく。それぞれの背中をそっと押すようにレファレンスする小町さんがとても素敵。あくまで気付いたのは自分。そんなスタンスのレファレンス。
人は生きていると悩みがない人なんていない。ちょっとだけ視点を変えてみたり、自分を整えてみたり。小説のように皆が皆、上手くいくわけないのは承知の上。でも悩んでいるときこそ視野が狭くなっていたりするもの。悩んでいる時こそ、気分転換を兼ねて図書室で本を読んでみよう。自分だけじゃ気付けなかった気付きがあるかもしれない。そう思わせてくれる小説でした。
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